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○○町の○○○科クリニック。ホーム動物病院です。

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内科症例HEADLINE

内科症例紹介

症例1 重度のアレルギー障害の治療

このワンちゃんは、重度のアレルギー症です。典型的な皮膚の柔らかいところを中心に症状が認められます。

最初に、疥癬ダニ、毛包虫、真菌(カビ)、マラセチア、細菌検査、アレルギーの抗体検査を行いました。追加で細菌培養、感受性テスト(抗生剤が何が効くか)を実施しました。

検査の結果、真菌(カビ)に感染している事と多数のものにアレルギーがあること。特に、アレルギー陽性である鶏肉を飼い主さんが与えていました。(飼い主さんとしては、少しでも皮膚がよくなるように、いろいろと考えて鶏肉を与えていらっしゃいました。)

以上より、感染が重度な為、毛を短くし、感受性テストより効果のある抗生剤+抗アレルギー剤+抗ヒスタミン剤+抗真菌剤で治療しました。

そして、アレルギー陽性の食事を使用していない食餌を与えました。

以下が、治療前と治療一か月後の写真です。


治療前            治療一か月後

治療一か月後に、皮膚の赤みが減っているのが、解ると思います。


症例2 副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、咽頭麻痺


ミニチュアダックスのハッピーちゃんです。
重度の肥満と睡眠時の呼吸困難で来院しました。

体重は、なんと11.3Kgとかなり体重オーバーでした。また、寝ようとすると無呼吸になり飼い主さんが慌ててゆすると呼吸する状態でした。

診察では、腹部が腫れて皮膚が薄くなり、顔面がやや悲しげな顔をしています。

そこで、血液検査では、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、肝腫(脂肪肝の可能性あり)

咽頭狭窄+咽頭麻痺(咽頭とは、喉の奥で、気管と食道の入り口があるところです。空気の吸い込みを調整しているところが、やや狭くなり、動きが鈍くなっています。)

心臓拡大(体重の増加に伴うもの))以上が検査結果となります。

総合診断しますと、

副腎皮質機能亢進症

副腎皮質機能亢進症に伴う甲状腺機能低下症

副腎気質機能亢進症、甲状腺機能低下症に伴う体重増加、脂肪肝の可能性

甲状腺機能低下症に伴う、咽頭麻痺(甲状腺機能低下症は、末梢神経に異常を来します。)

以上より、ホルモン疾患が疑われます。ホルモン検査を実施してからのホルモン剤投与が、望ましいですが、症状が緊迫しているのと飼い主さんの希望により、投薬を先行して行いました。

投薬内容は、以下の内容になります。

副腎皮質ホルモンの合成量を減らす薬、甲状腺ホルモン、心臓薬、肝臓薬、ビタミンE、ビタミンB群、咽頭麻痺の治療薬、胃腸薬、抗生剤

また、症状が落ち着いた時に、ホルモン検査を実施し、ホルモン失調が確認されました。

現在は、睡眠時の呼吸困難の症状は、なくなり、体重は7.65kgに減少しました。

以下がその写真です。

治療前            治療後見出し

左の写真が治療前です。体重11.3kg          
右の写真が治療後です。体重7.95kg やや腰にくびれが出来ています。白い服は、胸に出来た床ずれを改善する さらし より製作した服です。


症例3 重度の脱毛


ららちゃんというワンちゃんですが、重度の脱毛で来院しました。

H23年夏頃から、皮膚に痒みが出てきて毛を自分でむしってしまい、一度内服を飲んだが改善しないという事で、当院にH24年3月に来院しました。

最初は、皮膚病の処方食を食べていましたが改善せず、自家製食に変更(米、魚、野菜、フルーツなど)したそうです。また、シャンプー療法も行っていましたが、シャンプー後、かなり痒くて引っ掻きまわしていたそうです。

初診時の様子は、両手足、胸の背側・腹側に著しい脱毛、熱感(皮膚が熱い)、脂漏(脂が多く付着)発赤(皮膚が赤いこと)苔癬化(皮膚が像の皮膚のように固くなる)がありました。

アレルギーの傾向は、あると思われますが、まず、基本的な検査を行いました。

検査内容は、皮膚疥癬(比較的皮膚の表面に寄生するダニ)、真菌(カビ)、毛包虫(皮膚の中に寄生するダニ)、細菌感染の有無(球菌、桿菌、マラセチア)が存在するかというものです。(こちらの検査は、病院が、混んでいなければ、数十分で検査可能です。)

検査の結果は、球菌、桿菌が重度に感染していました。

診断名は、細菌性皮膚炎です。

治療には、抗生剤、抗ヒスタミン剤並びに抗脂漏シャンプーと抗菌性シャンプーです。

特に、このシャンプーは、飼い主さんのシャンプーテクニックが治療の成果に左右します。

ららちゃんの飼い主さんは、非常にシャンプーがうまく、治療効果が非常に良かったです。

現在は、週に一回のシャンプーで、良好に経過しています。

治療一か月後

初診時の写真があるといいのですが、残念ながらありません。こちらは、治療一か月目の写真です。当初の発赤(赤いこと)、脂漏(脂が多いこと)は、改善して、痒みが落ち着いてだいぶ楽そうです。まだ脱毛は、まだ残っています。
















平成24年10月の写真です。

十分な発毛が観られます。この治療で大切なことは、基本検査を大切にすることです。



症例4 医原性甲状腺機能亢進症と心臓拡大、脱毛(アロペシアX)

ポメラニアンのリリーちゃんは、当初以下のような脱毛を起こしていました。

アロペシアX

ポメラニアン独特の脱毛です。副腎由来ホルモンで生産異常の可能性が高いと言われています。
来院時の説明によると、

3歳の時に脱毛し始めたとのことです。

かなり遠方の病院を受診し、最初に甲状腺ホルモンの検査を実施しました。甲状腺ホルモンは、正常でしたが、甲状腺ホルモンの内服を開始したそうです。

その半年後に、肝炎、さらに、3か月に、心臓病になったということです。

来院時には、2年経過していて、脱毛は、同じ状態とのことです。また、甲状腺ホルモンは、同じ量を2年間、投薬し続けています。(投与量が多いように思われます。)

そして、肝臓薬、心臓薬も併用しているとの事です。

そこで、血液検査、胸部レントゲン、心電図、心臓エコー検査を行いました。

左右心臓は、拡大し、左右の心臓の弁の異常(弁の閉鎖不全、肥厚)が認められました。
また、肝臓の肥大、コレステロール値の低下が認められました。

診断結果

3歳で、心臓病になるのは、早すぎると思われます。(生まれつきは、別です。)これは、甲状腺ホルモンの投与量が多くて、肝炎、心臓拡大を起こしたものと考えられます。

まず、甲状腺ホルモンを中止したいのですが、ホルモン剤は、一挙に中止するとホルモンのバランスを崩します。そこで、徐々に減量していく事にしました。(約3か月かけて、投薬中止)

また、以下の心臓薬3種類を処方しました。
1.心臓の筋肉の代謝を改善する薬

2.心臓に走っている血管を拡大し、心臓の栄養状態を改善する薬

3.血管を広げて心臓の負担を軽減する薬

肝臓肥大は、心臓病に伴うものですので、特に肝臓薬を処方しませんでした。(これは、うっ血肝というもので、心臓の状態が改善すれば、治ると思われます。)

数か月後に徐々に毛が生え始め1年後には、以下の状態になりました。

治療後の経過

アロペシアXの治療法は、幾つかあるのですが、今回は、甲状腺ホルモンを徐々に中止していくだけで、改善しました。これは、何かしらの機序によりホルモンバランス異常が改善されたと思われます。

左写真は、治療前の心臓    右写真は、治療後の心臓

写真の中心よりやや上に写っている卵のようなものが、心臓です。
治療後に、小さくなっているのが解ると思います。


症例5 落葉性天疱瘡


3歳のちびちゃんです。最近、顔の周囲に皮膚病ができたという事で、来院しました。

カサブタ

鼻の部分が赤く腫れカサブタのようなものが多く付着しています。

顎の脱毛

下顎が赤くなり脱毛しています。

耳の下が赤くなり脱毛している。
以下の皮膚検査を行いました。

疥癬ダニ、毛包虫、真菌これらは、すべて陰性でした。

細菌染色検査では、球菌、桿菌が陽性でした。

単純な細菌感染を否定する為、抗生剤と抗ヒスタミン剤の投与を行いましたが、改善が認められませんでした。

そこで、飼い主さんと相談後、皮膚の生検をおこなったところ落葉性天疱瘡と診断されました。

これは、自己免疫性の皮膚病です。

この場合は、免疫抑制剤を使用します。最初にステロイド剤を使用しましたが、あまり改善が認められませんでしたので、臓器移植手術後などに使用されるシクロスポリンという薬をしようしたところ著明な改善が認められました。


治療後

鼻は、凸凹したカサブタも消失し正常な毛が発毛しています。また、耳の下の発赤、脱毛は、消失しています。顎の赤く脱毛した部分が改善しています。。
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